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『月曜日の水玉模様』   加納朋子 [読書]

月曜日の水玉模様

月曜日の水玉模様

  • 作者: 加納 朋子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2001/10
  • メディア: 文庫


毎日満員の小田急線に揺られ通勤する陶子。ある日偶然その同じ車両で毎日見かける萩と話すようになり、日常の中の小さな謎を解いていくことに。全7話。


新聞でこの本の記事をたまたま見かけたら、猛烈に読み返したくなり本棚をあさり再読。
やっぱりこの本おもしろいですよね。
前に読み返したのは『レインレイン・ボウ』が出たあたりだったような。
関連している本とはいえ、『レインレイン・ボウ』とはだいぶ色が違いますね。この本は。

この本は、いわゆる日常ミステリーと言われるジャンルになるのでしょうか。
このジャンルでは加納朋子の透明な伏線、というのが最高に生きると思います。
本当にこの人の伏線は透明ですよね。
何気ないエピソードに隠れる伏線。埋もれることもなく、目立ちすぎるわけでもない。
すごいと感じます。

それとこの本の好きなところは、みんなキャラクターがいいですよね。
陶子もいいですけど、僕はやっぱり萩が好きですね。
普段はボーっと無邪気なようで、キチンと物事の大切なところは捉えている。そしてそれをわかったからって偉そうに語ったりしない。
かっこいいですよね。
主人公の2人のほかにも、良いキャラクターはたくさん出てきます。
瀬戸や相馬、谷や益子。サブキャラクターも活躍する話ってのは僕は大好きなのです。

そういった意味で、この『月曜日の水玉模様』は僕のツボをことごとく捕らえている作品なのです。
最後の話で今までのキャラクターを総登場させてしまうってのもいいですし、初対面だと思っていた陶子と萩だけれど実は昔に一度あるエピソードがある・・・。
なんてのもワクワクしてしまいます。
1話完結でありながら、本全体としての流れもあるのも好きだなぁ。
また各章の曜日のあとに続く言葉の頭を並べると『みずたまもよう』になるのも素敵ですね。

僕は加納朋子の作品の中でこの本が一番好きなのですが、世間ではそこまで評判は良くないようですね。
なぜでしょうか。

読んでいて思ったのですが、この話ってすごく映像化しやすそうな気がします。
NHKかなにかでドラマ化したら絶対面白いと思うんだけどなぁ。
そのときは出来れば1週間毎日1話ずつやってもらいたいものです。


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